こんにちは、エクシールの今井です。
今回は棚卸しの評価方法それぞれのメリット・デメリットを紹介していきたいと思います。
棚卸しの評価方法
棚卸しは「棚卸資産」として計上されるため、金額を記載する必要があります。
棚卸資産の金額は在庫評価額として事前に決めなければなりません。
評価額の決め方には帳簿価額で評価する「原価法」と、時価と帳簿価額を比較して低い方を採用する「低価法」があります。
評価方法を採用する場合は、納税地の所轄税務署長まで「棚卸資産の評価方法の提出書」を提出しなければなりません。提出しない場合、一律最終仕入原価法によって評価する決まりになっています。
また、評価方法の変更にも制限があり、特別な事情がない限り3年間は継続して適用しなければならないため、注意が必要です。
原価法
原価法にはさらに6種類の評価方法があります。
①個別法
②先入先出法
③移動平均法
④総平均法
⑤売価還元法
⑥最終仕入原価法
① 個別法
各仕入時の価格で評価する方法
個別の売上と原価が完全に一致し、正確な評価ができますが、個別の商品を実際の仕入・払出の通りに計算するので数や種類が多い場合は手間がかかります。
宝石・絵画・貴金属や不動産等、資産の個別性が高いビジネスの評価に適しています。
② 先入先出法
先に仕入れた棚卸資産から順に売り出し、あとから仕入れた棚卸資産が期末に残ると考えて計算する方法
実際の資産の流れに近い状態で計算できるため、実際と会計上のズレは比較的に少ないですが、物価の極端な価格変動があった場合、インフレ時には利益が多く評価され、デフレ時には小さく評価されてしまいます。
③ 移動平均法
仕入れごとにその時点の在庫と仕入れから棚卸資産の平均単価をその都度、計算して評価していく方法
常に現状を把握できますが、毎回計算する必要があるため、手間がかかります。
④ 総平均法
期中に仕入れた棚卸資産の平均原価を取得原価として計算する方法
物価変動による影響を受けにくいですが、期末後にしか計算ができません。
⑤ 売価還元法
期末の棚卸資産に原価率を掛けて算出した金額で評価する方法
取扱商品が多いスーパーや百貨店など小売業で取り入れられています。
商品それぞれの原価を調べるのが困難な場合には便利です。
⑥ 最終仕入原価法
期末に一番近い仕入時の金額を取得価額として計算する方法
計算はとても簡単ですが、期末まで評価ができないというデメリットもあります。また、価格変動が多い場合は、実際かかったお金との誤差も大きくなることがあります。
評価方法を選択しなかった場合、この最終仕入原価法によって棚卸資産が評価されます。
低価法
上記の原価法のいずれかの方法で出た帳簿価額と期末時点での時価と比較して評価額が低い方を採用する方法です。
低価法を適用した場合、評価損を計上するため、将来発生するかもしれない損失をあらかじめ見込んでおくことができ、節税に繋がりますが、計算が難しくとても手間がかかってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
評価方法それぞれのメリット、デメリットを紹介してきました。
棚卸の評価方法は様々ありますが、どの評価方法が自社に合っているのか比較・検討してみてください。
<参考>
在庫評価方法【6つの在庫評価の方法と在庫評価損を計上する理由とは】
https://www.smartmat.io/column/inventory/8042
今井 はるえ
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