こんにちは!エクシールの清水です。
最近フォームローラーが我が家に届いたので上に乗ってコロコロしているのですが、とっても痛くてびっくりしています・・・前に筋膜リリースのマッサージを受けて悶絶したことを思い出し、普段からストレッチをしっかりやらないとダメだなと反省しました。
さて、今回は【5M+1E】についてご紹介していきます。製造業では5Sのように馴染みのあるワードです。
製造工程を管理する中で問題につながる要因を洗い出し、未然に防ぐための対策を講じるかと思いますが、やみくもに要因を探すのは大変ですよね。そんな時5M+1Eの考え方を思い出せるように、この記事を読んでいただけたらと思います!
※2018年9月10日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
5M+1Eとは
製品の不良は様々な要因で起こりますが、大きくは次の6つのカテゴリで考えることができます。
・人(Man)
・機械・設備(Machine)
・方法(Method)
・原料、材料(Material)
・測定、検査(Measurement)
+
・環境(Environment)
では各要因について詳しく見ていきましょう。
人(Man)
作業者の能力のばらつきによって、製品の品質にもばらつきが出てしまいます。
例えば勤務年数に差があるとき、ベテラン作業員よりも新人のほうが不良品を出す可能性が高くなると考えられますね。他にも年齢の差であったり、性別の違いであったり。
それぞれの能力に合わせて適切な教育を計画的に行い、不良品を出さない意識づけをしていきましょう。
機械・設備(Machine)
機械・設備の精度のばらつきによって、品質にばらつきが出てしまいます。
機械が複数ある場合、年式や型式によって出来上がりの品質が異なっていたり、クセがあったりすることがあります。
作業前に機械の条件や制度を確認し、機械の点検を定期的に行うことで、故障を未然に防ぎましょう。
また作業がしやすい機械配置も重要です。
方法(Method)
作業方法のばらつきによって、品質に影響が出てしまいます。
同一の加工や組立において、作業順序や条件・方法がいくつか存在するときに注意が必要です。
手順や治具の使用など、作業順序によって作業効率が異なる場合があるため、効率の良い方法を標準化するようにしましょう。最もやりやすい方法にすることが大切です。
作業標準書やQC工程表を作成し、書類通りに作業が行われるように教育します。
作業方法が品質向上のために変更された場合は、必ず作業標準書やQC工程表も改訂するようにしましょう。
★作業標準書に関する記事はこちらもご覧ください。
★QCストーリーに関する記事はこちらもご覧ください。
原料、材料(Material)
原料や材料(部品)にばらつきや不良があるとき、品質に影響があります。
まずは受け入れの段階で材料が規格内であるかを確認します。また銘柄の違う複数の材料や原料を使用し、材料によって製品収率が異なる場合は、なるべく収率の高いものを使用できると良いですね。
基本ですが古い材料を使用しないように先入先出を徹底し、在庫量も減らしていきましょう。
測定、検査(Measurement)
測定機器の精度、測定条件、測定方法、測定者の能力によって、データにばらつきが発生します。
測定精度が悪い場合は、ゲージR&Rなどを使用して測定精度の解析を行い、ばらつきを少なくします。また、合否の識別方法を標準化し、判定精度も管理しましょう。
環境(Environment)
作業中の温度、湿度、気圧などによって仕上がりに影響を与える場合があります。
ほかにも振動、音、光、時間、季節などが原因となり得ます。作業をする際は、一定の環境条件を保ちながら行うようにしましょう。
6Mって何?
他にも最近あるのは上記5Mにさらに要素を追加した6Mです。
様々な商品を小ロットでも製造できるように、生産ラインの管理や仕事内容の管理、時には仕入先や委託先の管理など、全体の流れを管理する重要性が高まり、次の要素が加わりました。
➡ マネジメント(Management):全体の管理、コントロール
5M+1Eの前によく聞く「4M」とは?
4Mとは、品質管理業務を適切に行うための4つの要素(Man・Machine・Method・Material)を表します。人・機械・方法・材料を意味し、4Mと呼びます。詳しくは前章の通りです。
製品の品質を確保するために、品質・コスト・納期の3つの条件を考慮し、4つの要素(4M)において生産における最適条件を設定します。
4Mで重要となるのは、設定した条件に変更があった場合、変更内容・変更時期・注意事項などを文書化し、関係する部署に伝えることです。この変更が起きるタイミングは特に不良が出たり、ムダが発生したりしやすくなるので、変更管理は適切に行うことが大切です。この変更を4M変更と言います。
機械・設備(Machine)・・・設備の新設、改善、工場移設、治具の変更など
方法(Method)・・・製造方法の変更、操作方法の変更、洗浄方法の変更など
材料(Material)・・・材料の変更、材料メーカーの変更、材料のグレード変更など
上記のような予測できる変更の場合は、予め変更を想定した影響や対応策を文書化しておきましょう。
予測できない場合は、事前に報告のルール(誰に何を報告するか)を決めておき、その後4M・5M+1E・6Mの要素にどんな変化があったのかを調べ、原因と解決策を考えていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
5M+1Eの考え方が頭にあれば、作業者のミスで不良が起きたときも、多角的に要因を検討することができます。また現在は6Mなど新しい考え方もできています。
管理を行う際は、これらの要素をもとに問題の原因と対策を考え、より良い品質のものを常に製造できる環境が作れると良いですね。
デジタルトランスフォーメーションチャンネル
株式会社日本能率協会コンサルティング
ロボット導入.com
清水 まり
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