こんにちは、編集長の鈴木です!
4回にわたってご紹介してきた「食中毒予防の3原則」についても今回でラストです。「食品中で菌を増やさない」に焦点を絞ってご紹介していきます!
「食品中の菌を殺す」が大切な理由
食中毒予防の3原則では「食品に菌をつけない」が最も基本であり、食材や製造工程の関係上どうしても菌がついてしまう、または最初から付いている状態があるため、「食品中で菌を増やさない」ことも重要だということをご紹介してきました。
しかし、食中毒の原因となる細菌やウイルスはあらゆる身近な場所に潜んでおり、低温であっても少しずつ活動し増殖していきます。このため、最後の仕上げとして、提供する前の「食品中の菌・ウイルスを殺す」対策が大切になってきます。
この「提供する前」というのは、飲食店などでお客様へ料理をご提供する際であったり、工場から出荷する際でもあります。また、お客様へ提供するものだけでなく、例えば社内で使っている調理器具ですとか加工機械についても、しっかり殺菌の対策を取っておくことで食品被害を予防することが出来ます。
「食品中の菌を殺す」ためには
食品中の菌を殺す方法について、いくつかをまとめてみましたので参考にしてみて下さい。
1.加熱
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。
加熱した食材を使用することで、食中毒が発生する危険性を低下させることが出来ます。
2.アルコール
濃度の高いアルコールは殺菌効果があり、食材を浸しておくことで殺菌効果が期待できます。また、酢にも同様の効果があります。適切な方法でアルコール殺菌を行うことで、食器やトレーなどの除菌も可能です。
3.紫外線
紫外線を発生させる殺菌灯と呼ばれる殺菌方法があります。パッケージの上からでも照射できるという利点があります。また、調理器具や加工機械をはじめ、調理作業場所の殺菌にも利用できます。
4.オゾン
オゾンを用いた食品の殺菌方法もあります。野菜や魚介類の洗浄にオゾン水を使用したり、粉末などの殺菌にオゾンガスやオゾン発生ランプなどを用いて殺菌・消臭の処理を行うことが出来ます。オゾンガスは濃度や吸入時間によっては人体に有害になる場合がありますのでルールを設けるなどの徹底した管理が必要です。
5.蒸気
高温の蒸気で製品を蒸すことで殺菌する方法です。すでにパウチなどに梱包されている場合、煮沸による殺菌も効果的です。調理に使用した包丁やまな板などにも使用できます。
「食品中の菌を殺す」を管理する
殺菌処理の管理の仕方に関しても、しっかりとしたルール決めと、記入によるチェックの管理がとても重要になってきます。
例えば肉製品の加熱処理の場合は、「中心部分を75℃で1分以上加熱する」など、温度の管理と加熱時間の2つの管理をすることで、加熱不良を防ぐことが出来ます。
また調理の場所や器具の殺菌も、頻度を決め、行ったかどうかのチェックをすることで、継続的に管理をすることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「食品に菌をつけない」「食品中で菌を増やさない」「食品中の菌を殺す」の3つのポイントを順にご紹介していきましたが、どの項目にも言えることは、対策をしっかり管理して継続していくことが大切だということです。
食中毒は一度引き起こすと取り返しのつかない事故に発展してしまう可能性がある恐ろしいものです。しっかりと対策を行っていきましょう。
食中毒予防対策の他の記事も合わせてチェックしてみて下さいね^^
▼これまでの食中毒予防の記事はコチラ!
食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|①食中毒の原因と予防三原則
食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|②食品に菌をつけない
食中毒予防の三原則をはじめからわかりやすく!|③食品中で菌を増やさない
鈴木ちか
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