こんにちは、エクシールの鷲見です。
前回、金属検出機の仕組みについてお話をしました。
↓前回の記事はこちら↓
第2回目は「X線検出機」の仕組みをご紹介します。
異物検査装置の種類と検出範囲
それぞれの異物検査装置が検出できるものを大まかに分類しました。
金属検出機は、その名の通り、金属類を検出することに長けており錆状のものや細い針金など微量な金属の混入の発見を得意とします。
一方X線検査機は、金属製品やガラス、硬質プラスチックの発見に加え形状や質量を検査することが可能です。
製品によっては、商品のかみこみを確認できるものもあります。
参考:株式会社システムスクエア「異物検査機とは」:https://www.system-square.com/
X線検査機の仕組み
X線検査機は、電磁波の種類の一つであるX線を物質に照射して透過量の違いで異物を検出する仕組みです。
X線は波長が短いため物質を透過することができます。透過量は物質の厚みや密度に左右され、厚みがあり密度が大きいほどX線を遮ります。石や金属などは密度が高く、被検査品よりも色が濃く映ることにより異物として検出することができるのです。
X線検査機だから発見ができるかみこみや、形状、欠品も同様の仕組みで、透過量の違いで発見することが可能です。
X線検査機の正しい使い方
テストピースを複数箇所に設置する
X線検査機は厚み、密度によって透過率が異なります。つまり、被検査品の凹凸で感度が左右されます。
テストピースを被検査品の様々な部位に固定して、感度の確認を行いましょう。
X線の強さの設定
X線の出力量は最初に流した物の条件で決定します。
設定時には、被検査品の中でも最も大きい厚みを用意して調整を行いましょう。
マスキング機能の活用
マスキング機能とは、特定の部分や形状のものを検査から除外する機能のことです。
容器や包装材、金属クリップといった透過量が少なく、異物検査に必要のない部分を除外します。
これによって感度が向上し、より確実に異物の検出ができます。
まとめ
今回は、X線検査機の仕組みについてご紹介しました。
検出できる異物の範囲が広いことに加え、比重やかみこみ、形状などまでを測定できることがX線検査機の強みです。
2回に分けて、異物検査装置についてご説明させていただきましたが、それぞれに異なる良さがあります。
品質・安全の高い商品の提供のために、目的や環境に応じて活用していけると良いですね。
<参考>
松定プレシジョン株式会社「技術コラム」:https://www.matsusada.co.jp/
アンリツインフィビス株式会社(旧社名:アンリツ産機システム)
「テクニカルノート Vol9 X線検査装置のアルゴリズムとは」:https://www.anritsu.com/ja-JP
金井 貴志(2014)「異物検出機の原理と適切な運用方法」,『アンリツテクニカル』No. 89, pp. 44-52.
鷲見まいか
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