異物検査装置の仕組みを学ぶ!|金属検出機編

こんにちは、エクシールの鷲見です。

食品業界において異物混入が与える影響は大きく、消費者からの信頼を失いかねません。
商品の品質、安全を保つためには混入させないこと、そして万が一紛れ込んだ時にいち早く発見することが大切です。

このときに、大きな役割を果たしてくれるのが商品に入った異物を検出する異物検査装置です。主に種類は金属検出機X線検査装置に分けられ、仕組みや検知できるものが異なります。

今回は、2回に分けてそれぞれの仕組みをご紹介していきます。
第一回目は「金属検出機」に焦点をあてました。

異物検査装置の種類と検出範囲

それぞれの異物検査装置が検出できるものを大まかに分類しました。

金属検出機はその名の通り、金属類を検出することに長けており錆状のものや細い針金など微量な金属の混入の発見を得意とします。
一方X線検査機は、金属製品やガラス、プラスチックの発見に加え形状や質量を検査することが可能です。

製品によっては、商品のかみこみを確認できるものもあります。

参考:株式会社システムスクエア「異物検査機とは」:https://www.system-square.com/

金属検出機の仕組み

金属検出機は電磁誘導の仕組みを利用しており、磁力を発信する1つのコイルと受信する2つのコイルで構成されています。

2種類のコイルの間には磁界が発生しており、この磁界を製品が通過することで発生した磁界の乱れで金属を検出します。
製品に異物が混入していない場合は、磁界は安定した状態です。

磁性金属の検出

鉄のような磁性金属が混入している場合、鉄が磁化することによって磁束が鉄へと引き寄せられます。異物がある側に磁束が集まりコイルのバランスが崩れることで、金属の混入が検出されます。

非磁性金属の検出

ステンレスやアルミのような非磁性金属が混入している場合は、ステンレスやアルミが磁界を通過することで渦電流が発生します。これによって異物がある側の磁束が弱まり、コイルのバランスが崩れ非磁性金属が検出されます。

 

誤検出を防ぐ方法

金属検出機は性質上ノイズの影響を受けやすいです。
以下のような環境で稼働させましょう。

・たこ足配線を避けて独立したコンセントを使用する

・電源ケーブルはコイル状に束ねない

・使用する機器の近くに大型モーターを設置しない

・搬送ベルトの清掃とメンテナンスをこまめに行う

・検出部を安定させるため、稼働の30分前にスイッチを入れる

・検出器の間口を製品のサイズに合ったものを選ぶ

金属検出機の特性を活かすためのポイント

稼働前の調整

〇被検査品

金属検出機の感度は被検査品の状態によって変化します。

温度は高くなるほど、塩分含有量や水分量は多いほど感度が低下します。被検査品の大きさは大きくなるほど低下します。

商品の状態の違いによって金属検出機の感度が影響を受けないように、テストピースによるチェックの段階で調整をしておくことが大切です。

商品によって状態のバラツキが想定される場合は、あえて感度が低い条件の被検査品を作って検出できるように設定しましょう。

例えば、漬物や味噌のような水分量、塩分含有量が多量に含まれるものは、規定よりも水分、塩分が多い量で被検査品を作ります。また、冷凍品の場合は温度上昇による影響が考えられるため、短時間常温で放置した被検査品を使用します。

一番影響を受けやすい条件で検出することができれば、通常品を流したときの誤検出の防止に繋がります。

通過位置

金属検出機は被検査品の通過位置によって感度が異なり、同軸型、対向型ともに中央部の感度が最も低くなります。

テストピースを流すときには中央部を通過させて確認をしましょう。

被検査品は縦長の向きで通過させる

被検査品が流れる方向は「斜め→縦長→横長」の順で感度が低下します。横に長くなるほどノイズによる影響を受けるためです。

斜めや縦長のように断面積が小さくなるような向きで被検査品を通過させるようにしましょう。

製品の厚みを均一にして流す

レトルトパウチやスナック菓子のような袋に中身が詰められた物を流すときは、厚みが均一になるようにして流します。また、詰め合わせのお菓子などは袋にまとめられた状態ではなく個包装で検査をしましょう。

等しい厚みにすること、被検査品を重ねて流さないことを意識しましょう。

まとめ

異物混入は、万全に対策をしているつもりでも製造工程で起きてしまう可能性があります。万が一の時に汚染した商品が流通してしまうのを防ぐのが、異物検査装置です。

検査装置の中でも、金属検出機はX線検査機では検出が難しい鉄錆や針金を検出できる点が強みです。

金属検出機の仕組みや稼働時のポイントを把握し、上手に活用していけると良いですね。

 

<参考>
アンリツインフィビス株式会社(旧社名:アンリツ産機システム)
「テクニカルノート Vol3, 4 金属検出機との上手な付き合い方」:https://www.anritsu.com/ja-JP
株式会社システムスクエア「異物検出機とは」:https://www.system-square.com/
金井 貴志(2014)「異物検出機の原理と適切な運用方法」,『アンリツテクニカル』No. 89, pp. 44-52.

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鷲見まいか

ウレタンを扱った製品の製造・販売を行う株式会社エクシールで働いています。仕事をする中で得た知識や経験を通して、皆様に有益な情報をお伝えできるよう努めてまいります! 大きなどんぶりサイズの茶わん蒸しを食べることが夢です!

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