こんにちは、エクシールの鷲見です。
今回は、異物の中でもビニール片やラップなどの柔らかい素材の混入を防ぐ方法についてお話をしていきます。
ビニール製品が混入する原因
ビニール片やラップなどが混入する工程は主に2つあります。
一つ目は原料などの開封時です。原料のほとんどは包装された状態で届きます。原料を開封する段階で、ビニールの破片が発生してしまい混入するパターンです。
二つ目は保管時です。食品を保管する際にラップがうまく千切れなかったり、途中で破れたりすることによって混入するパターンです。
他にも着用していた手袋が何らかの拍子に破れてしまい、食品の中に入り込んでしまう場合があります。
ビニール製品の取り扱いルールを定める
ビニール製品(ラップなど)は食品を取り扱ううえで使用頻度の高い素材のため、取り扱いの際はルールを定めておくことが大切です。
包装用の袋の場合
・開封方法を定める
袋の開封方法を工場内で統一しましょう。
例として、下記のような方法が挙げられます。
・袋はまとめてではなく1つずつ開封する
・切れ端は切り離さずくっついた状態で破棄する
・開封後は本体と切れ端が必ず手元にあることを確認してから破棄する
・破片の発生を防ぐために一度切り込みを入れたら2重切りはしない
・開封後はすぐに破棄する
やり方が作業者によって異なると、切り方に差が出るため混入の可能性が高まります。また、万が一の際の原因追及も困難です。
全員が同じ方法で作業できるように周知し、作業の都度確認を行いましょう。
・ハサミを定期的に交換する
開封に用いるハサミが劣化して切れにくいと、切り口がボロボロになり破片を発生させる原因となります。定期的に切れ味を確認し、劣化のタイミングで交換しましょう。
ラップの場合
・見つけやすい色のものを使う
家庭用のラップは透明で見つけにくいのが難点です。
今は色が付いた素材の備品を用いることが、多くの工場で主流となっています。ラップも同様で、発見がしやすい青色のものを使用して混入時に見つけやすくする工夫をしましょう。
手袋の場合
・定期的に確認を行う
作業中は手袋の破損に気づきにくいです。
30分に1回または1時間に1回作業者同士で確認をするタイミングを設けましょう。
確認を徹底することが大切
作業時のルールを定めた後は、確認を怠らないことが大切です。
「正しい方法で開封しているつもりだったが切り口から破片が発生していた」「手袋の確認をしたが、小さな破れを見落としていた」など、同じ工程を繰り返していると、流れ作業化して見落としが発生してしまいます。
ただ業務をこなすのではなく、作業に対する確認ができるよう常に意識しましょう。
まとめ
ラップやビニール片などは異物の中でも柔らかい素材であり、健康被害は他に比べると比較的少ないです。しかし、消費者にとってはどのような素材であっても決して気分の良いものではなく、異物混入を未然に防ぐ必要があります。
取り扱いのルールを決めることと丁寧な確認を心がけ、消費者が安心できるような品質の商品を提供していきましょう。
鷲見まいか
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