アルコール除菌の良くある間違いと正しい使い方とは?|食品工場の衛生対策

こんにちは!
気温も急激に上昇して、春本番を通り越したような陽気ですね!エクシールの鈴木です。
気温が上がってくるこれからは食中毒の発生しやすい季節。

注意しなければならないのは、単に「アルコール」成分を使えば菌やウイルスが全て死滅するわけではない、ということです。

今回の記事では食品工場では必須の「アルコール除菌」について、よくある間違いや正しい使い方・使い道についてご紹介していきます。
是非この機会にチェックして、今一度工場や家庭内の衛生管理、除菌対策について確認してみましょう。

※この記事は2019年7月に投稿された記事ですが、リライト記事に必要な文言などを追記、そのほかの部分も修正して再度公開しました。

 

アルコールはどんな場所を除菌するのに向いているの?

食品工場や食品を扱う店舗で用いられる除菌消毒は、主に3種類あります。
アルコール除菌だけしていればよいというわけではなく、それぞれの消毒方法に向き不向きがありますので、それを把握して用途によって使い分けていきましょう。

 

●高濃度アルコール除菌(アルコールスプレー)

スプレーするだけと手軽に使え、食品にかかっても問題ないため、包丁やまな板、調理器具や調理台などを作業の合間にこまめに清掃するのに適しています。
他二つの除菌方法はこまめに行うことが出来ないため、手軽で効果的な除菌ツールとして食品現場では広く使われています。

ただし、使い方が悪いと効果が大きく損なわれてしまうことや、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスには効かないことには注意が必要です。

 

◆ノンエンベロープウイルスとは?
ウイルスには、「エンベロープ」と呼ばれる脂質性の膜を持っているウイルス(エンベロープウイルス)と、持っていないウイルス(ノンエンベロープウイルス)の2種類が存在します。
アルコールによる消毒剤は、エンベロープを持つウイルスに効果的とされる一方で、膜のないノンエンベロープウイルスはアルコールに強く効果が期待できないと言われています。

エンベロープを持つウイルスとしては、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどが、
エンベロープを持たないウイルスとしてはノロウイルス、アデノウイルス(プール熱等)が挙げられます。

 

アルコールスプレーでの除菌ではノンエンベロープウイルスにダメージを与えられません。
しかし家庭でのウイルス予防に使用する手指用のアルコールジェルの中には、配合により、このノンエンベロープウイルスにも効果があるように作られている商品もあるようです。

アルコールで手指の除菌を行う際は、手のひら、手の甲の他、指先や指と指の間(指の根本)、親指の周りを入念にこすり合わせ、乾くまで揉み込んでください。

 

●次亜塩素酸ナトリウム水溶液の除菌(塩素系漂白剤)

アルコール除菌が効かないノロウイルスなどにも効果があります。
原液を希釈して水溶液を使い、まな板などの調理器具やダスターをつけ置きした後、十分に流水ですすいで使用します。
使用開始前や終了後にしっかり除菌するのに使われ、作業時間中のこまめな除菌はアルコールスプレーで行います。
消毒を行う際は手荒れ防止に手袋、マスクなどを着用し、換気を行ってください。

↓こちらの記事も是非参考にしてみて下さいね。

塩素系漂白剤の使用用途と使い方を学ぼう!酸素系との違いは?|食品工場の衛生管理

 

●過酸化ナトリウムの除菌(酸素系漂白剤)

次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤)が使えないようなものの除菌に適しているのがこちらの酸素系漂白剤による除菌です。
酸素系漂白剤は40~50℃のお湯で希釈して使用するのが一般的です。塩素系漂白剤に比べ穏やかな作用の漂白剤になります。

酸素系漂白剤についてはこちらの記事でも詳しくまとめてあります。

酸素系漂白剤の使用用途と使い方を学ぼう!塩素系との違いは?|食品工場の衛生管理

 

アルコール除菌剤の特徴や注意点

この項目では、アルコールスプレーを正しく使うための、アルコール除菌の特徴注意点についてまとめてみたいと思います。

 

1.食品についても大丈夫!

食品工場用の除菌用アルコール(詳しくは後項目参照)は食品にかかっても安全なため、直接食品にかけたり、食品の直接触れるコンベアや番重(ばんじゅう)、容器などにも使用することが出来ます。

 

2.効果は一瞬!こまめに除菌しよう!

アルコールスプレーによる除菌は、吹きかけた瞬間、最初の数秒が最も強力に作用するそうです。
そのため、除菌力の持続はしないと考えましょう。

こまめにスプレーし、常に除菌された状態にしましょう。

 

3.濡れた場所では効果が激減?!

シュッシュと吹きかけるだけの手軽なアルコールスプレーですが、実は対象が水で濡れていると、効果が著しく低下してしまうことが知られています。

これは水分のせいでアルコールの濃度が変わってしまうことが原因で、水拭きなどで汚れをふき取った後は、乾いてから噴霧するようにしましょう。

また同様に、作業場の入口やトイレなどによく設置されている、手に吹き付ける形のアルコール除菌液も、濡れた手にシュシュっとしても効果はほとんどないと考えた用が良いでしょう。

 

4.アルコール濃度は高すぎても除菌力はイマイチ!

アルコールの除菌能力は、濃度によって大きく変化すると言われています。
その中でも最も効果が高いとされるアルコール濃度は70~80%とされています。

最近では商品によっては配合されている添加物との相乗効果で50%代のアルコール濃度でも十分な除菌力を持ったモノもあり、アルコール濃度は60%を超えると消防法の保管料制限の対象となるため、低濃度のタイプの人気も高まっているそうです。

また、90%以降のアルコールはかえって除菌作用が弱くなります。

 

5.アルコールなので火気厳禁!

食品工場では特に注意が必要ですが、アルコールスプレーはその名の通り、アルコールですので、陽が近くにあると引火し、火災になる可能性もあります。

こまめな除菌は大切ですが、使用する場所や保管などには細心の注意を払いましょう。

 

 

アルコール除菌の正しいやり方

前の項目でご紹介したような特徴をアルコール除菌は持っています。
それを踏まえたうえで、より効果の高い除菌を行っていきましょう。

 

 

包丁やまな板などの調理器具は、洗剤でしっかり洗ってから十分に乾かして、アルコールスプレーを噴霧します。スプレー後ふき取る際は、清潔なダスターかペーパーで拭きとります。

大きな調理器具や冷蔵庫、オーブンレンジの中、調理台等を除菌する場合は、きれいな場合はそのままアルコールスプレーをかけたり、アルコールスプレーをかけた清潔なダスターで拭いて除菌します。
少し汚れている場合は、最初に硬く絞ったダスターで汚れを取り除き、その後乾いてから同様の作業を行います。

アルコールスプレーは揮発するので、ふき取りはしなくても大丈夫です。

 

食品工場でアルコール除菌スプレーを選ぶ際のポイント

食品衛生の分野では、アルコールスプレーの元となるエタノールに食品添加物を配合して作られた、「食品添加物」の認可を受けたものの使用が望ましいとされています。

食品添加物ですので、食品に直接かかってもOKですし、すすぎも不要となります。
アルコール除菌スプレーを選ぶ際には参考にしてみてくださいね!

 

 

足元用の異物混入対策マット(ステップマット)にも専用アルコールスプレーがお勧め!

エクシールが製造する、食品工場向け粘着マット「ステップマット」は、よくあるめくるタイプの粘着マットと異なり「洗って繰り返し使える」ため、コスト削減にピッタリな異物対策用ツールの一つ。
ホコリやごみの吸着力も紙シートタイプよりも強く、食品衛生管理に欠かせないアイテムだからこそ、いつもきれいな状態で使用したいですよね。

 

 

ステップマットは抗菌剤が配合されており通常の水拭きによるお手入れでも汚れや菌を洗い落とすことは可能ですが、よりしっかり除菌出来るお手入れをしたい!という場合には、専用のアルコール系クリーナーがお勧めです。
除菌が出来て汚れが簡単に落とせるだけでなく、マットのダメージを最小限に抑えることで製品寿命を延ばす効果もあります^^

 

 

まとめ

いかがでしたか?
普段行っているアルコール除菌ですが、注意点を守るだけでより効果的に除菌消毒を行うことが出来ます!
菌が増えやすいこの季節、今一度正しい使い方を確認して、効果的な衛生管理を行っていきましょう。

The following two tabs change content below.

鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket