*

食品工場内に潜む化学的危害要因とその対策は?|HACCPのキホン

こんにちは!今年は体調がすぐれず、ゆっくりお花見に行けなかったことが心残りな、鈴木です。
でも、春から夏にかけてのこの季節、桜が終わればバラに藤に、その次はアジサイと・・・見ごろを迎える花々はたくさん!それが終わるころには夜空に花火も咲きますしね!人込みは苦手なので、どこかゆっくりお花見できる穴場スポットを探しつつ、季節が来るのを待とうと思います^^

さて、今回の記事ですが、先週ご紹介した物理的危害要因とは別のハザードとして、「化学的危害要因」についてご紹介します。
化学的危害は物理的害に比べ、被害が大きくなる可能性の高い危険の一つ。どのような場面で起こりやすいのか、またそれを防ぐにはどのような管理のポイントがあるのかを、しっかりご紹介していきたいと思います!

 

化学的危害要因とは?

前回もご紹介しましたが、まず「危害要因」というのは、食品業界内で義務化が進んでいるHACCPにおいて「健康に悪影響を及ぼす可能性のある原因・物質」のことを指します。
これらの発生源を工程別に分析し、重要な管理点を集中的に管理していくことがHACCPのキホンであり、食品事故やクレームを減らすための重要な役割を担っています。

化学的危害要因はその中でも、薬品洗浄剤農薬などの「化学物質」が誤って食品中に混入し、消費者に危害を及ぼしてしまう危険のことを言います。

先週ご紹介した「物理的危害要因」のように目視や金属探知で除去することが出来ず、出荷してしまった場合、甚大な食品事故になりかねない大変危険な化学的危害要因ですが、工場内のどのような工程で起こりえるのか、また、どのような点に注意して管理していくべきかを、次の項目から見ていきましょう。

 

一番多い混入方法は「間違える」

表題だけ聞くととんでもないことですが、実は最も多いのは間違えて食品内に投入してしまった、ということなので驚きです。

原因もあって、洗剤などの薬品を別の容器・・・例えば空になったペットボトルや、別の薬品が入っていた容器を使いまわしていた際、中身を薬品だと気づかずに間違えて投入してしまうパターンがあるそうです。
ではそんな場合、どのような点に気を付けて管理をすれば、混入の間違いを防ぐことが出来るでしょうか。

 

1 専用の容器を使う

当たり前ですが真っ先に浮かぶのが「別の容器を使いまわさない」ことです。
ビール瓶などに農薬を入れて保管しており、間違えて飲んでしまうというとんでもない事故が、それでも毎年のように発生しているそうです。

誰が見ても中身が薬品であることがわかるような容器とラベルで、薬品や洗浄剤を管理・保管する必要があります。

 

2 表記をきちんとする

また、ラベルの表記の仕方も、ただ内容物が書いてあればよいということではありません。
作業者の中には外国人の労働者の方もいるかもしれませんし、目が悪く細かい字が読みづらい方もいらっしゃるかもしれません。男性の20人に1人は色弱を持っていると言われています。

それらの従業員すべてがわかるように、色分けや、マーク記号表記の文字を大きくするなどの工夫があると、より間違えにくいでしょう。

 

3 材料の近くに保管しない

稼働後の洗浄消毒に使用するからと言って、動いている製造機器のすぐ隣に殺菌剤の原液を保管するのは、混入する危険を大きくする原因となってしまいます。
また、薬品や洗浄剤は工場のあちこちで保管するのではなく、できれば1か所にまとめてあった方が安全です。

保管場所が複数ある場合は、どこで何の薬剤を保管しているのか、リスト化するとよいでしょう。

 

保管の仕方・使用のルールを徹底する

ISO22002では、洗浄剤や化学薬品などの危険な薬剤は必ず「鍵のかかる/またはアクセスが管理されている」保管区域にて管理すると定められています。
原液のボトルを一か所で保管し、そこから小分けして持ち出すときはその量や使用する工程を記録するようにすれば、不自然に多くつかわれていないか使用量のチェックができます。

あまり起こってほしくないことではありますが、関係者が故意的に薬品を混入させることから食品を守る「フードディフェンス」という言葉もあるこの時代、危険な薬品を誰でも持ち出せるような場所で管理するのは危険な行為でもあります。
持ち出せる人を制限したり、使用量や用途などの記録をつけることで、混入のリスクも減り、担当の従業員の意識も向上するでしょう。

 

洗浄の徹底

牛乳やペットボトルの飲料メーカーで、製品の中に消毒剤・洗浄剤が混入してしまった事件が起こりました。
原因は中に入っている飲料ではなく、「容器」を殺菌した際の「洗い流し不足」でした。

このように、すすぎ不足で薬品が商品に混入することは多く、この工程を持っている工場は消毒剤の残留がないかどうか、しっかりチェックするようにした方が良いでしょう。
もちろん、容器だけでなく使用している製造機器などの洗浄時にも同じことが言えます。

また、使用する消毒剤や洗剤の「希釈」のルールもしっかりマニュアル化して守らせる必要があります。
日によって希釈の割合が違えば、同じ洗浄方法できちんと薬剤が落ち切っているか、判断できません。洗剤でも、しっかりと希釈について理解している人が取り扱うようにしましょう。

 

 

口に入っても問題ないものを使う

食品を製造する機械に使用するグリスや潤滑油は、混入しても問題ないものを使用する必要があります。
万一食品に混入して食べてしまったとしても、健康に悪影響を与えにくい「食品機械用潤滑油(NSF)」という規格もあります。

NSFのグレードについては、以下の記事でもご紹介しております。是非チェックしてみてくださいね!

工場の品質管理が頭を抱える「錆(サビ)対策」のポイント

 

まとめ

いかがでしたか?
工場内で人体に有害な薬剤を使用しているという意識を持つことが大切です。
しっかり管理して、クレームのない工場を作っていきましょう。

 

食品工場内に潜む物理的危害要因には何がある?|HACCPのキホン

こちらの記事も是非チェックしてみて下さい^^

 

The following two tabs change content below.

鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存
  • LINEで送る
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知をメールで受け取ることができます。

読者登録はコチラ

文字サイズの変更

標準 拡大
  • twitter
  • youtube
  • feedly
  • livedoor
  • rss
佐賀の油流出事故を対岸の火事にしないために!水害時の企業対策について考えよう

こんにちは!9月も半ばに近づいてきましたが残暑が厳しいですね。 先月

コーシャ認証とは?|制限があっても安心して食べられる!ユダヤ教徒のための認証制度

こんにちは!エクシールの今井です(^^)/ 先日、友人宅でギターを教

食品工場で使用する機械・設備はどんなものを選ぶと良い?

こんにちは!エクシールの清水です。 先日、会社の人とBBQをしました。

フードセーフティジャパンってどんな展示会?|食品工場の衛生管理

残暑が厳しい一方、九州では大雨の被害が相次いでおり、被害にあわれた方の

ハラール認証とは?|制限があっても安心して食べられる!イスラム教徒のための認証制度

おひさしぶりです。エクシールの今井です。長期間更新ができず、申し訳ござ