初心者でもわかる!食品残差や残留洗剤の洗浄度チェックの仕方|食品工場の衛生管理

あけましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2020年は東京オリンピックの年!私はバスケットの試合を見に行く予定で、今から楽しみです^^
さて、オリンピックの開催国となれば、当然今年一年は海外からの選手や観光客が多くなるでしょう。
普段と異なるお客さんが増えるということで、食品衛生もしっかり行っていきたいですよね。

さて、今回の記事では、タイトルの通り「食品残差」や「残留洗剤」のチェック方法についてご紹介していきたいと思います。
きちんと洗浄・消毒をしているつもりでも、洗い残しがあるせいで菌が増殖しているかも・・・?
食品残差や残留洗剤について興味がある方は、是非この記事を参考に自社の衛生管理を見直してみてくださいね。

※この記事は2019年2月に投稿された記事ですが、リライト記事に必要な文言などを追記、そのほかの部分も修正して再度公開しました。

 

食品残差・残留洗剤とは?

食品残差とは、広い意味では食品関連事業所から出る食品由来のごみを表しています。調理時に出た食品ロスやごみ、食べ残しや売れ残り、期限切れなどの廃棄食品を意味します。
この記事では、その中でも調理器具や食器などに付着した食品由来の残りかすや汚れについて、その洗い残しの危険性について紹介していきたいと思います。

残留洗剤はその名の通り、洗った後食器に洗剤の成分が残ってしまうこと、洗剤の洗い残しを意味しています。

 

目では見えない「洗い残し」の危険

工場で使用している機械や調理器具、お皿などを洗浄したとき、ぱっと見はきれいでも、ウイルスや細菌などは目で見えないほど小さいため、付着していたとしてもわかりません。

洗浄時に食品のかけらや洗剤の洗い残しが残っていると、その後の消毒の効果が落ちたり、細菌が増殖したりして、食中毒食品アレルギーなど、思わぬ事故になってしまうことも・・・
また、色やにおいが他の食品に移ってしまったりと、お客様に不快感を与えてしまう原因にもなります。

そのリスクを抑えるためにも、普段の洗浄・除菌作業において、きちんと洗い残しがないか、洗剤残りがないかをチェックする習慣をつけることが重要になってきます。
洗浄と消毒が正しく行われているかどうかは、科学的手法を用いることでちゃんとチェックすることができます。
洗浄度チェックの簡易検査キットもありますので、使用箇所や目的別に適した方法で検査していくことで、洗浄、消毒の仕方を定期的に確認していきましょう。

次の項目からは、洗浄検査で主に用いられる3つの方法についてご紹介していきます。

 

 

食品残差チェック①スタンプ法/スタンプスプレッド法

どちらとも、検査したい対象の表面から採取したものを培養し、細菌がいるかどうかを確認する方法です。
スタンプ法は、スタンプそのものが培地になっており、直接対象物の表面に押し付けることで採取を行います。

スタンプスプレッド法は、合成樹脂製のスポンジで対象物の表面をスタンプし、それを培養地に塗り付けて培養させます。
一定時間の培養が測定には必要になりますが、専用の機器などは必要なく、より手軽に検査できる方法と言えます。

 

食品残差チェック②ATP測定検査(ATP+AMP測定検査)

食品工場内でよく用いられている方法として、細菌や食物残差が「洗浄残りの指数」として測定できる「ATP測定検査」が知られています。
ATPとは「アデノシン三リン酸」と呼ばれる、細菌やカビ、酵母、動物や植物由来の汚れに含まれる物質で、このATP測定検査方法は、専用の機器を用いて、それを数値として測定することができます。
特徴は、後に説明する菌を培養するタイプと比べ、短時間で計測できることで、厚生労働省監修の「食品衛生監査指針」にも載っています。

ATP測定の特徴は、一つ目に紹介したスタンプ法が微生物の有無を検出することに対して、食品由来の汚れを検出できる事です。つまり、「微生物はいないが食品の洗い残しがある」という場合に、スタンプ法では安全と測定されますが、ATP測定では要注意と判断される、ということです。
微生物はいなくても、食品の洗い残しが残っている「洗浄不十分」の状態は、実は様々な危険性が潜んでいます。

例えば、食品残差が洗浄後のお皿に残っていると、そのあと行う除菌がうまく作用しない場合があります。また、時間が経過したときに食品残差を養分に菌が増殖してしまうことも。アレルギー成分が残ってしまっているお皿を使ってしまったら、場合によっては重篤な事故につながる可能性もあります。

ATP測定検査につきましては、まとめた記事がありますので、こちらもチェックしてみてくださいね。

 

衛生管理対策ワード:ATP測定検査

 

 

食品残差チェック③試薬を使った目視検査

試薬を用いて汚れを着色し、汚れの度合いを目視で確認できる方法になります。
方法は、検査したいものにそれぞれの試薬を直接塗布・またはスプレーをし、水ですすぎます。食物残差がある場合は、そこに色素が残ります。

呈色反応試薬という、特定の物質に反応して色が出る試薬を使いますので、細菌を培養したり汚れ全体の数値を測ることはできません。また、検査したい物質(でんぷん・タンパク質・脂肪)ごとに試薬が異なることにも注意です。
食器に直接試薬をかけてチェックを行うため、その試薬を完全に除去するために再度しっかり洗浄しなければならない点も理解しておきましょう。

でんぷんやたんぱく質の残留検査用に、綿棒などのふき取り器具と試薬がセットになった簡易検査キットも比較的安価に開発されています。
ふき取り10秒程度で判定が出来ることや、操作や判定に専門知識や技術がいらない点、ATP測定のように専用の器具等の不要な点は、お手軽ですね。

食品残差残留簡易検査キットの判定例・文部科学省:調理場における洗浄・消毒マニュアルより抜粋

 

残留洗剤チェック

食器や調理器具の洗浄時の残留洗剤のチェックは、使用する洗剤によって異なります。
中性洗剤の場合は、界面活性剤測定を目的として市販されている測定セットを活用することで、洗剤の洗い残りをチェックすることが出来ます。
自動食器洗浄機などによく用いられるアルカリ洗剤や、石鹸はアルカリ性のため、pH試験紙を用いて検査することが出来ます。pH試験紙が緑~青色を示したら、すすぎが不十分ということを表しています。

 

検査の後に気を付けたい注意点

検査後には、検査に使用した培地や検査対象への処理に気を付ける必要があります。
検査対象には培地や試薬が付着していることがあるので、洗浄・消毒を今一度しっかり行いなおす必要があります。

また、検査に使った培地などは、もともと付着していた以上に細菌が大量に増殖しています。
通常のごみと一緒に捨てることはせず、医療廃棄物を取り扱う業者に引き取ってもらうか、高圧滅菌などの処理を行ってください。

 

まとめ

いかがでしたか。
大量に製造している工場内での調理機械や器具は、細菌や汚れが増殖しないようしっかり洗浄・消毒ができているか、気になるところですよね。
今回の記事に挙げたような方法で定期的に抜き打ちチェックを行い、正しく確実に洗浄が行われているかどうかを点検していくことが大切です。

 

こちらの記事も是非参考にしてみて下さいね^^

見えてるだけじゃない!?目に見えないカビも対策しよう|食品工場のカビ対策

食品工場における細菌検査の種類|殺菌・滅菌で食中毒を防ぐ!

 

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鈴木ちか

ウレタンの特性を活かし様々な商品を製造・販売している、株式会社エクシールで働いています。最近は食品工場向けの依頼が多く、仕事を通して学んだ製造業のアレコレを記事にしていきたいと思っています。同じ製造業の方が見て何かヒントになるような、そんな記事が描けるよう日々努力していきます!

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