食品工場における異物混入対策で必須な靴底・床のクリーン化。
空気中のゴミは重力に従って床に落ちます。
それが異物混入の原因に…なんてことにならないために、最適な対策をご紹介します。
靴底からの異物混入対策はなぜ必要?
異物混入対策の対象としてよく取り上げられる床・靴底。なぜ対策が必要かといいますと、粘着ローラーやエアシャワーで体をきれいにしても、残ったごみや空気中のホコリは、地面に落下します。
それが靴底についたり、床に蓄積されれば、人や台車が移動するたびに空気中へ再度舞いあがってしまいます。
これでは、せっかくの対策も台無しですよね。そこで、靴底の対策が大切になるのです。
靴底の異物対策の種類
有名なものとしては、粘着のあるマットの上を通ったり、クリーンルームに入る前にシューズカバーを付けたり、靴底を自動洗浄したりと、様々な対策があります。
それぞれの役割を簡単に紹介します。
汚れの”見える化”にも役立つ!|粘着マット
メリット:通るだけで汚れを除去できるので、時間を要さない。
デメリット:濡れた環境に使用できない。
粘着マットは靴底についた細かいホコリを除去したり、落下した毛髪やゴミを除去してくれます。
また、靴底が汚れている場合はマットにくっきりと跡が付くため、床や靴底汚れの”見える化”に活用されます。
使用環境は乾いた場所に向いています。
使ったら一枚剥がす、使い捨てのものや、洗浄できる繰り返し使えるタイプのものがあります。
細かい溝まで徹底洗浄!|靴底洗浄機
メリット:靴底の細かい溝までしっかり汚れが取れ、消毒もできる。
デメリット:乾かすのに時間がかかり、洗浄後すぐに使用できない。
靴底洗浄機は靴を自動洗浄してくれる機械です。
一般的に、工場での作業が終わった後に使用します。
作業後は食品工場内を歩き回った後なので、材料のカスが靴底の溝に入り込みます。
そこで、靴底洗浄機を使い、靴底や、靴の側面を洗浄するために靴底洗浄機を使用します。
機械の上を歩いたり、立っているだけで、自動的に洗浄してくれるものが一般的で、雑菌の繁殖を避けるため、吸水マットを併用する場合が多いです。
洗浄後はラックなどにひっかけ、翌日まで乾燥させます。
来客時にも大活躍!|シューズカバー・オーバーソックス
メリット:装着することで、常にきれいな靴底で歩ける。
デメリット:根本的に靴底をきれいにすることができない。
安全靴や、作業靴の上から履く、靴専用のカバーです。
使い捨てのものが多く、よく工場見学などにも使用されていますよね。
丈夫な作業靴も、毎日使用していればつま先が擦れたりして、異物が発生しやすくなります。
そんな時に、シューズカバーを使えば、靴からの異物を防ぐことができ、衛生的に作業ができます。
足首までのものやひざ上の長さまであるものなど、種類は多種多様です。
ただ、異物を除去する能力はないため、根本的に靴底をきれいにすることはできません。
一目でわかる!この対策
上記の3項目から食品工場で使用する場合、何を使うのが一番効果的かを見ていきましょう。
粘着マットは、粘着テープのマットで60%前後、ウレタンゲルを使用したマットなら、細かい溝の汚れも取れるため、90%以上の除去力があります。
足洗機は、靴の溝深くまで洗浄でき、効果は高いです。シューズカバーには異物除去力はなく、汚れをカバーします。
即効性の面では、乾かす時間がかかる足洗機よりも、粘着マットやシューズカバーを使用した方が良いでしょう。
コストに関しては、粘着テープを使ったマットやシューズカバーはランニングコストがかかります。
洗って繰り返し使えるマットであれば、初期投資のみで数年間コストはかかりません。
手間を省きたいのであれば、使い捨てのものを選んだ方が良いでしょう。
まとめ
靴底の対策も、それぞれにメリットデメリットがあります。
単体で使うのではなく、うまく組み合わせたりすることで、より質の高い対策が可能になるかもしれませんね。
ぜひ試してみてください。
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