こんにちは!エクシールの藤吉です。
今回は食品を製造する上で、本来その食品に入っていない特定原材料などのアレルギー物質が意図せず混入してしまわないようにするためにはどのようにすればよいのか、詳しく説明していきたいと思います。
※本記事は、2018年5月23日に公開した記事であり、リライトに必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
アレルギー物質の混入の危険性について
アレルギー物質の混入はどのような危険をもたらすのでしょうか。
日本では、特定原材料と呼ばれる「乳・卵・小麦・そば・落花生・えび・かに」の7品目が食品に入っているとき、パッケージに表記することが法律で決められています。
これは、アレルギー患者の数が多く、重篤な症状を起こしてしまうことが多いものだからです。
しかし、本来その食品に入っていないはずのアレルギー物質が微量でも混入してしまえばアレルギーを持つ消費者は入っていることに気づかずに食品を手に取ってしまいます。
過去の事例では、那覇市の飲食店で提供されたジーマーニ豆腐(落花生を使用した郷土料理:ピーナッツ豆腐)を、通常の豆腐だと思い食べた観光客にアレルギー症状が出てしまい、救急搬送されました。
ジーマーニは琉球語で落花生を意味し、その方は落花生にアレルギーのある人でした。提供された飲食店は、沖縄の方言がわからない観光客に対してジーマーニが落花生であることを説明していませんでした。
飲食店等におけるアレルギー対応では、提供される食品に食品表示法に基づくアレルギー表示の義務はありませんが、食物アレルギーを持つ人にとってアレルギー物質の管理は欠かせないものです。メニュー表への記載や口頭説明等でお客様に伝えるなどの対策をしておきましょう
重篤なアレルギーはアナフィラキシーショックなどを引き起こし、最悪死に至ります。消費者の安全を守るためにも、コンタミネーションを防ぐことは非常に重要です。
コンタミネーションを防ぐにはどうすれば良い?
アレルギーを持つ消費者の命にも関わる混入問題ですが、どのような対策ができるのか、まとめてみました。
1.原料の管理を徹底する
原材料の管理は見落としがちですが、非常に重要です。
原材料にアレルギー物質が混入していれば、いくら工場内で対策をしても意味がありませんよね。アレルゲン別に保管場所を変えたり、粉物は舞って別の食材に混入しないよう床に近い場所で間隔を十分において保管するとよいでしょう。
受入時に袋が破れているものは搬入しないなどの対策も大切ですね。
2.専用の調理器具を使う
アレルギー対応食品とそうでないものに同一の調理器具を使ってしまうと、洗浄が不十分だったときなどに混入が起こってしまいます。
同一のものを使用するのではなく、専用の調理器具を用意しましょう。
色分けなどをすると一目でわかってよいですね。
3.調理場所を分ける
器具を分けても作る場所が同じであれば、アレルゲンが混入してしまう可能性があります。調理場所を分けることで材料の間違いなどがなくなり、効果的に混入を防ぐことができます。
同じフロアで作る場合は洗浄を徹底し、調理の時間帯を分けましょう。
4.最終製品を検査する
出来上がったアレルギー対応食品はロットごとに専用の検査キットで検査するなど、最終確認をするとよいでしょう。
5.従業員教育をする
アレルギーに対しての知識がないまま作業をさせてしまえば、同一の器具を使ってしまったり原料を間違えたりと混入の危険性があります。
しっかりと製造中のリスクや対策について指導しましょう。
アレルギー対応食品を専門で作る人とそうでない食品を専門で作る人を分けるのも良いかもしれませんね。
まとめ
アレルゲンの混入対策は安全な食品を作る上で非常に重要です。
原材料の表示には同じ工場で特定原材料などのアレルギー物質を含んだ食品を製造している場合、「同工場では〇〇を使用した食品を製造しております。」などと表示することができるので、消費者が目で見て判断ができるようにぜひ取り入れてみてください。
調理器具の使い分けや洗浄を徹底し、消費者に安心して手に取ってもらえる食品が製造できるとよいですね。
藤吉きらら
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