こんにちは!エクシールの今井です。
今回のテーマは「トレーサビリティ」です。
近年、製品の品質向上に加え、安全意識の高まりから自動車や電子部品をはじめ、食品や医薬品など幅広い分野に浸透しています。トレーサビリティについては、一般的に広く注目を集めるきっかけになったBSE(狂牛病)問題で聞いたことがあるかもしれませんが、詳しく知らない方のために、利点や特徴をまとめましたので是非ご覧ください。
※この記事は2018年5月14日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。
トレーサビリティとは
トレーサビリティとは製品が【いつ】【どこで】【誰に】作られたのかを明確にするために、生産段階から製造や加工を通じて最終的に消費あるいは廃棄までを追跡可能な状態にすることです。各段階で商品の入荷と出荷に関する記録を作成し、保存しておきます。
基本的に納品書などの伝票の保存と社内でロット情報の管理を行うことで、「いつ・どこから(どこへ)・何を・どれだけ」仕入れたか、あるいは出荷したかが把握できます。こうして仕入れから製造、出荷に至るまでを追跡できるのです。(→チェーントレーサビリティ)
または牛肉などに代表される個体識別番号を提示し、消費者自身でネットから生産履歴を確認できるものもあります。(→内部トレーサビリティ)
トレーサビリティのメリット
商品に関する問題が発生した場合、すばやく対策を行う必要があります。対策が不適切であったり遅かったりすると、消費者や取引先からのイメージの悪化や不信感の増大につながってしまいます。ですが、現状は消費者を保護するための法律や国際規格などが誕生・改正され、企業が品質問題についての予防や対応を確実にしなければ生き残れない状況となっています。
このような現状から、トレーサビリティを採用する利点が大きく4点挙げられます。
①リスク管理
商品の流れを正確に把握できるようになるため、問題が発生しても原因を特定しやすくなります。リスク管理を強化し、早い段階で原因の特定ができれば、問題を最小限にすることができます。
②欠陥製品の迅速な回収と原因究明
ロット情報を社内で管理することで出荷した製品に問題を発見した際、同じように不具合の可能性がある同一ロット製品を速やかに回収することができます。
また行程ごとにデータを残していくため、どこに問題があったのかを迅速に究明できます。
③企業イメージの向上
トレーサビリティの仕組みを構築することで消費者自身が生産地などを確認できるので、安心感と信頼感を与え、安心・安全に配慮した企業であるというイメージにつながります。
④品質管理の向上
すべての行程が追跡できるので、すべての部署における責任を明確化することができ、現場の意識も高まり、品質の向上につながります。不具合が起きた際にも、より詳細な原因特定が可能になるので、対策や改善策打ち出すことも容易になります。
トレーサビリティの課題
以前から積極的にトレーサビリティに取り組んできた自動車業界では、品質管理に加えてリコール問題の防止や被害の最小化、さらに経営課題の抽出・改善などに広く活用されています。
しかし膨大な数の構成部品の製造から廃棄までを把握することは容易ではありませんし、データを管理するにも法規制に沿って対応しなければなりません。第三者の立ち入り検査が不可欠になることも考えられるのではないでしょうか。
まとめ
狂牛病(BSE)問題で広く知られるようになったトレーサビリティ、実は様々な業種で取り組まれています。まだ課題もある取り組みにはなりますが、企業においても消費者においても大きなメリットのある取り組みだと思います。今後、是非トレーサビリティに取り組んでみてはいかがでしょうか。
<参考>
シャープマーケティングジャパン株式会社|トレーサビリティとは?
https://smj.jp.sharp/bs/spotlight/2020/03/traceability/
今井 はるえ
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