食品工場でもあり得る!「酸素欠乏症」について

こんにちは!エクシールの藤吉です。

本日は、食品工場でも起こりえる酸素欠乏症についてお話していきます。

※本記事は2020年3月11日に公開した記事であり、リライトに必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。

食品工場における酸素欠乏症

酸素欠乏症とは、いわゆる「酸欠」のことです。閉鎖された空間などで空気中の酸素濃度が18%未満の空気を吸うことによって発症する状態のことをいいます。

特に、発酵食品(納豆など)や野菜がたくさん入った保管室、醤油などを醸造するタンク、地下水槽などは酸素欠乏症になりやすい場所です。

酸素欠乏症になるとめまいや吐き気、突然意識を失って倒れたり、最悪の場合は死に至ることもあります。

 

酸素濃度16%:呼吸数、脈拍数の増加、頭痛、吐き気など
酸素濃度12%:めまい、筋力低下、体温上昇など
酸素濃度10%:顔面蒼白、チアノーゼ、意識不明
酸素濃度8%:昏睡
酸素濃度6%:痙攣、呼吸困難

特に影響を受ける部分が脳です。
臓器の中で脳は一番酸素を消費するので、与える酸素が少ないと脳に障害が出る可能性があります。

酸素欠乏症のしくみ

酸素欠乏はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。

空気中の酸素濃度は約21%といわれています。それ以外は窒素が約78%、その他が1%の割合です。

この酸素濃度が約18%以下になると酸素欠乏症の症状が出ると言われています。

 

呼吸のガス交換の仕組み

私たちが吸っている空気は肺に運ばれ、全身へ酸素を行き渡らせています。
酸素を運ぶ役割は血液中の「赤血球」がつとめています。
肺の薄い細胞膜を隔てて赤血球へと酸素を送り込みます。

ここでポイントなのが、気体は濃度の低い方へ流れていく性質があるということです。

全身を巡った赤血球は、約16%まで酸素濃度が低くなっており、外から入ってくる約21%の濃度の酸素は自然に赤血球側へ流れます。

 

酸素欠乏症の仕組み

上記でも説明したように、気体は濃度の低い方へ流れていく性質があり、空気中の酸素濃度が12%などと低くなると、逆に空気中と比較して酸素濃度が高い赤血球から空気中へ酸素が流れてしまいます
すると、酸素の交換がうまくいかなくなり、非常に危険な状態になります。

特に酸素濃度が10%以下になると、動くこともできず、叫び声も上げられなくなり、一人で作業をしていた場合は、助けを呼ぶことも難しくなります。
6%になると、ひと呼吸しただけで体内の酸素が吸い取られ、昏倒、死亡します。

呼吸が停止してから3分で蘇生率は70%まで落ちてしまうというデータもあります。

日ごろから何の疑いもなく吸っている空気が、凶器になってしまうのが酸欠の怖いところです。

 

酸素欠乏症に対してできる対策とは?

酸素欠乏症を防ぐためにできる対策は、以下の通りです。

 

酸欠事故対策のポイント

① 酸素欠乏危険作業主任者を選任し、作業主任者の職務を実施させること

② 酸素欠乏危険場所では作業開始前に酸素濃度、硫化水素濃度の測定を実施すること

③ 換気をせずに、または換気が不十分な状態で、危険場所へ立ち入らないこと

④ 空気呼吸器等の呼吸用保護具を準備し、教育を行い、適切に使用すること

⑤ 転落のおそれがある場所は、酸素欠乏の発生に備え、安全帯等を使用すること

⑥ 事故発生時に備えて、空気呼吸器等、はしご、ロープ等の他、救出をするための必要な用具を備えておくこと

⑦ 酸素欠乏危険場所では労働者の出入りを点検すること

⑧ 酸素欠乏危険場所では関係者以外立入禁止とし、必要な事項の表示を行うこと

⑨ 酸素欠乏危険場所ではその近隣に必要事項を連絡しておくこと

⑩ 異常の早期発見と適切な処置を迅速に行うため監視人を配置すること

⑪ 労働者に対して、酸素欠乏危険作業、酸素欠乏症や硫化水素中毒に関する基礎知識とその対策、救助作業における注意、空気呼吸器等の保護具使用等の特別教育を実施すること

労働衛生対策の基本 ⑫酸素欠乏症とその対策|産業医科大学 産業生態科学研究所 作業関連疾患予防学研究室 非常勤助教 岩崎明夫(https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpo21/sarchpdf/88_roudoueisei_taisaku.pdf)より引用

 

酸欠事故の管理上の問題点には、作業主任者を選任していないことや、安全衛生教育をしていなかったことなどが挙げられます。

主任者を選任していないということは、酸素欠乏症に対する危機感がないということなので、いざ事故が起きたときに冷静な対応も難しくなります。

そのような事態を起こさないためにも、まずは、従業員たちが危険を予知しておくことが非常に大切になります。
危険があることを知ってもらったり、対策の知識を付けてもらうには、危険予知トレーニングを行うことが有効です。

危険予知トレーニングについては以下の記事を読んでみてください。

 

労働災害ゼロへ!今すぐ始められる危険予知訓練(KYT)のやり方とポイント

 

まとめ

いかがでしたか?
意外と身近にある危険、「酸素欠乏症」ですが、身近な割には対策を知らない人が多くいるかと思います。

酸素欠乏症で閉鎖空間に誰かが倒れていたら、助けに行きたくなりますが、助けた人も倒れてしまうなど、二次災害の恐れもあります。

日ごろから工場ではどのような危険があるのかを知っておくことで、そのような事故を未然に防ぐことができます。
ぜひ、社内で共有してみてくださいね!

 

<参考・引用>

図解「なぜ?」「なに?」ナリアと学ぶ食品工場マニュアル|(株)レジェンドアプリケーションズ 源 竜弥 著・イラスト

労働衛生対策の基本 ⑫酸素欠乏症とその対策|産業医科大学 産業生態科学研究所 作業関連疾患予防学研究室 非常勤助教 岩崎明夫https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpo21/sarchpdf/88_roudoueisei_taisaku.pdf

酸素欠乏症とは |アズワン株式会社
https://axel.as-1.co.jp/contents/oxygen_deficiency

 

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藤吉きらら

ウレタンゲルという柔らかい素材を活かした商品を開発している株式会社エクシールに勤めています。仕事をしていく上で、挨拶・笑顔は大切だと思います。日常生活で心掛けていきたいです。抹茶のお菓子だいすきです!!

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