こんにちは!エクシールの清水です。
今日で消費税が8%であるのも最後ですね。9月は「増税前だから…」と言い訳して好きなものを買っていた気がします、、、明日からは節制していきます><
さて、今回の内容は【食品ロスの現状と削減】についてです。
食品ロスとはどんなものなのか、また、どのように削減していけば良いのか考えていきましょう。
※本記事は2019年6月12日に公開していますが、必要な文言等を追記し、再度投稿しました。
食品ロスとは
食品ロス(フードロス)とは、本来食べられる食料が捨てられてしまうことです。
例えば次のようなものがあります。
・形が崩れたり、大きさが不十分であったりと規格外の加工食品
・賞味期限切れの加工食品
・家庭や飲食店での食べ残し …など
農林水産省の調べによると平成28年度の食品廃棄物等(有価物や不可食部分を含む)は約2,759万トン、このうち食品ロスの量は約643万トンであったと言われ、そのうち352万トンが食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業によるもので、食品製造業と外食産業で77%を占めています。
食品廃棄物があることで起こるデメリット
食品工場や外食産業、食品小売業において食品ロスが出ることで起こるデメリットには以下のようなものがあります。
- 廃棄コストがかかる(キロ単位で100円以上)
- 廃棄コストを商品代へ上乗せしなければならなくなる
- 分別の手間など、ゴミの処理が大変
- 環境に悪い …など
食品ロスによって上記のような状態にならないよう、対策について考えていきましょう。
食品ロスはなぜ出るのか
食品ロスは、原材料が生産されてから消費者の手元に届くまでの流れの中で、様々な要因によって起こります。
例えば、外食の食べ残しや、梱包や輸送時の不具合による廃棄、節分で太巻きが大量に余ったり、クリスマスにケーキやチキンが売れ残ったりと、イベントの期間限定で発売されるものも食品ロスが起こります。
そのほかにも消費者が賞味期限が長いものを選んでしまうなどの要因もあります。
中でも企業としては3分の1ルールが一つの原因になっています。3分の1ルールとは製造日から賞味期限までの期間を3等分して設定することです。流れは次の図の通りです。
しかし、この3分の1というのは世界的に見ても短く、ロスが早く発生してしまいます。卸・小売からメーカーへの返品は年間562億円、小売から卸への返品は年間247億円となっています。※製・配・販連携協議会資料(H29年度推計)より
他国でみるとアメリカは2分の1、フランスは3分の2などの設定になっています。
今からできる食品ロス対策
上記を踏まえて、食品産業従事者は何ができるでしょうか。
「食彩life」の「食品業界が取り組むべき8つのフードロス対策とは【現役食品メーカー勤務者が分析】」では下記のように述べられています。
〇食品業界が取り組むべき8つのフードロス対策
- AI、IoTを利用した需要予測を高める(過剰生産をなくす、気象データを反映)
- 「3分の1ルール」の緩和
- 賞味期限の年月表示の移行
- 惣菜、中食部門の食品ロス削減(店舗ロス率が非常に高い)
- チルド食品、日配食品の賞味期限の延長
- 小売現場での売り切る意識の向上
- 廃棄物を活用した加工品への応用
- ダイナミックプラシング(消費期限に応じた自動価格表示)の導入
食品業界が取り組むべき8つのフードロス対策とは【現役食品メーカー勤務者が分析】|食彩life より引用
具体的に対策を見ていきます。
①賞味期限の延長
カルビーは食品ロス削減のために、ポテトチップスの原材料やパッケージを見直し、期限そのものを延長しています。
②賞味期限が近いものを値引きする
期限切れ間近の商品や売り切れない商品を値引きします。2019年以降、大手コンビニも値引きを容認し、食品ロス削減に取り組んでいます。
また値引きだけでなく、期限切れ間近の対象商品を購入した際にポイントの還元を行う実験も行われています。
③アプリで売れ残りの商品をシェアする
食品を廃棄しなければならない人と、食品を必要としている人をマッチングするアプリです。加盟店が身近にあるかどうかによって利用できるユーザーは限られてしまいますが、需要と供給がマッチしたアプリですし、加盟店も広がっているので、企業が食品ロスに取り組む姿勢がうかがえますね。
アプリについて、詳しくは下記リンクをチェックしてみてください(^_^)
④フードバンク活動
まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を、食べ物に困っている施設や人々に届ける活動です。2012年12月末時点での取扱高は3,152トンにものぼります。
企業側は廃棄コストを削減、また社会的活動(CSR)の一環とみなすことができる活動です。
⑤ダイナミックプライシング
市場の需要に応じて価格を変動させ、需要を調節する手法です。
原価や品質によって価格を決めるのではなく、シーズンや時間帯など需要の大きさによって価格を決めます。
例えばホテルや飛行機が土日は割高になったり、平日は安くなっていたりするというのもひとつです。
⑥3分の1ルールの緩和
前項でも既述したように諸外国では納品期限が長く設定されています。3分の1ルールを緩和することでメーカーや卸は返品を減らすことができます。緩和後の流れは次の図のようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。食品ロスは大きな問題であり、テレビでも季節のイベントの際は多く取り上げられる問題です。もちろん消費者一人一人が気を付けるべき点もありますが、企業側として何ができるのかをもう一度考え、少しでもロスを削減できると良いと思います。本記事で挙げた対策を取り組んでみてはいかがですか。
◇参考・引用
・食彩life
・農林水産省
・SMART AGRI
・フードバンク
・ダイナミックプライシング
清水 まり
最新記事 by 清水 まり (全て見る)
- 防振に適した素材はどれ?|使用環境に合わせて選ぶ防振材3選 - 2021年5月3日
- 品質管理のキホン|5M+1Eってなに? - 2020年8月17日
- 食品工場におけるコンタミについて知ろう! - 2020年7月20日