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高齢者の雇用で気を付けるポイントとは?|作業環境管理・健康管理編

こんにちは!エクシールの清水です。
先日、新たな元号「令和」が発表され、平成も残すところ3週間となりました。元号が変わるという経験は初めてで、今さらながら平成に愛着がわいてきて少しさみしい気分です。

 

さて今回のテーマは前回に引き続き、【高齢化の雇用】についてです。
高齢化が進む日本では、労働者においても高齢化が進んでいます。年配社員の経験値は会社にとってなくてはならないですが、体力の低下などによってどうしても作業中のケガのリスクが高くなります。

今一度、高年齢労働者へどのような配慮をしていくべきかについて、作業環境管理・健康管理に関する観点から見ていきましょう。

高齢者の雇用で気を付けるポイントとは?|作業管理編

 

労働災害の現状

前記事と同様に、平成29年の厚生労働省のデータを見てみます。

こちらは業種別死亡災害のグラフです。建設業や製造業にて災害のリスクが高いようです。機械を扱う現場や、作業環境が過酷な場所、また運転・操縦の現場で特に多くなっています。

 

次に年齢別死亡災害のグラフです。50代以上は全体の約58%を占めています。
55歳以上の労働者を高年齢労働者と呼びます。

では次項より、厚生労働省の「高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル」を参考に、特定の障害を持たない50歳以上の労働者に対して推奨すべき職場改善ポイントを「作業環境管理」「健康管理」に関する視点から見ていきます。

 

職場改善ポイント:「作業環境管理」

作業環境管理とは以下の通りです。

作業環境中の有害因子の状態を把握して、できるかぎり良好な状態で管理していくこと

(引用:厚生労働省)

①作業場の施設管理への配慮

・作業から離れて休憩できるスペースを設ける。
洋式便所を設置。
・洗面台は、過度に前かがみにならないような高さにする。
・床の低周波振動を減少させるため椅子に座布団を、床には防振マットを敷く。

心身の生理的機能に配慮

 

②事故の防止や、負担を低減するための作業環境の整備への配慮ⅰ

滑りやすい歩行路*をなくす。
・階段には手すりやすべり止めを設ける。
・段差のある場所は表示する。
・作業場及び通路に適切な照明を設ける。
・高所作業床の囲いの手すりは高めとし、中桟や爪先板を付ける。
・見通しの悪い角には、カーブミラー等を設置する。
・通路のコーナー部は直角とせず、斜め線や曲線とする。

転倒・転落事故の防止など「安全面」への配慮

*滑りやすい歩行路
表面が濡れている、粉塵や油などが堆積している状態。
→転倒の原因や、滑らないように意識してしまうため作業への注意が散漫になる。
→バランスを取るために無駄な筋力を使ってしまう。

 

③事故の防止や、負担を低減するための作業環境の整備への配慮ⅱ

文字サイズを大きくする。
・作業面及び通路に適切な照明を設ける。
・作業場に掲示する、標語・作業手順・ポスターなどは見やすいように工夫する。
・掲示物が見えにくい色彩や不明瞭なコントラストは改善する。
・背景色と関係ある色をさけ、識別しやすい表示にする。

「視覚機能低下」への配慮

 

④事故の防止や、負担を低減するための作業環境の整備への配慮ⅲ

・作業で必要な会話や異常音を聞き取りにくくする、あるいはいらいらさせるような背景騒音を減らす
・騒音がひどい作業場では、聴力+視覚による情報伝達ができるように工夫する。
・警告音は設備などの背景騒音を考慮する。
(背景音:低音→警告音:高音、背景音:高音→警告音:低音)

「聴覚機能低下」への配慮

 

⑤事故の防止や、負担を低減するための作業環境の整備への配慮ⅳ

・暑熱環境下の作業では、作業環境の暑熱環境リスクを評価し、熱中症予防のための基本的な対策を講じる。(高年齢労働者の年齢と健康状態と暑熱環境下の作業に対する慣れ等を考慮)それに基づき作業強度、作業量、作業時間(1日の作業時間の合計)等を設定し、作業休止時間・休憩時間の確保に努める
→インターネット等で提供されるWBGT予報値や熱中症予防情報を利用すると良い。

・寒冷環境下の作業では、高年齢労働者は若年及び中年労働者よりも保温性が高い防寒服(具)を着用する。また、作業継続時間、1日の合計作業時間、採暖室での休憩時間等は作業場の気温(風の冷却力も考慮する)と作業強度によって設定するが、その際、労働者の年齢や健康状態等に応じて寒冷曝露時間を短くする

暑熱ストレスへの「体温調節機能の低下」や、寒冷ストレスへの「生理的・心理的負担」への配慮

 

職場改善ポイント:「健康管理」

健康管理とは以下の通りです。

労働者個人個人の健康の状態を健康診断により直接チェックし、健康の異常を早期に発見したり、その進行や増悪を防止したり、さらには、元の健康状態に回復するための医学的及び労務管理的な措置をすること

(引用:厚生労働省)

①高年齢労働者の労動的性能を高め、健康の保持・増進を行うための配慮

・問診表を用いて、法に定められた健康診断を実施する。
(疾病の予防・ 管理に対する、より厳密なコントロールを可能とする)
・高血圧症罹患、耐糖能異常及び糖尿病罹患、握力、心肺機能、貧血、肝機能異常といった診断を受けた高年齢労働者には特に配慮する。
・身体機能維持のための運動、栄養、休養に関するアドバイスを受ける機会を提供する

 

②適正配置、職場復帰に関連した配慮

・休業後の職場復帰では体力を十分回復させ、疾病の再発や慢性化を回避する。
(職場適応訓練、復職後のリハビリ出勤、復職訓練の期間を長めに設ける)
身体の状況に応じて、就業時間帯を調整できるようにする
・作業負荷の高い作業は、軽作業を間に入れるようにする。
適切なリハビリテーションを導入し、職場復帰情報の提供を行う。

年齢に合わせるのではなく、個人の身体的・精神的状況に合わせて柔軟に対応すること

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。高年齢労働者は知識や経験が豊富ですが、労働災害の原因となり得るのも事実です。今後、ますます高齢化が進んでいく中で、高年齢労働者がどのように働き、労働災害をいかに起こさないようにするかという点は、企業にとって避けては通れない問題となっていくでしょう。本記事で紹介した「作業環境管理・健康管理」における職場改善ポイントを見直し、高年齢労働者の方々が安全に働ける職場づくりをしていけると良いですね。

 

 

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清水 まり

ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。

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