こんにちは、エクシールの鷲見です。
今回は、食品の歩留まり(ぶどまり)と歩留まり原価についてご説明したいと思います。
※本記事は2019年12月に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
歩留まり(ぶどまり)とは
一般的な歩留まりの意味は『原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数』のことです。
歩留まりは食品に限らず、半導体や工業分野、人材ビジネスなど様々な分野で用いられます。
食品業界では、可食部位が全体の割合のうちどのくらいかを明らかにすることを指します。
また、実際の出来高の割合は歩留まり率(%)として表現されます。歩留まりの割合は、生産性や効率性を明確にする大切な指標の一つとなります。
歩留まり率を求める計算方法
歩留まり率を導く計算方法は下記の通りです。
例:刺身として提供するため1kgのぶりを一匹まるごと仕入れたとします。ここから皮や骨を取り除いた結果400gの身の部分がとれました。
この時、歩留まり率は
0.4(kg)÷1(kg)×100
=40%
40%となります。
歩留まり率は高い方が良いとされ、低い場合は不可食部位が多いということになります。
また、この歩留まり率を知ることで、歩留まり原価というのを導き出すことができます。
歩留まり原価とは
歩留まり原価とは商品の仕入れ値から利益を除いた際の材料費のことを指します。
・購入した食材をブロック単位で仕入れており加工の必要がある場合
・使用する食材に廃棄部分が多い場合
上記のような食品で使用できる状態の量が仕入れ時よりも少なくなった時に歩留まり原価の計算が必要です。
例:1kg1,000円で仕入れたブリの歩留まり率が40%でした。
この時の歩留まり率に対する原価は
1,000÷0.4
=2,500
2,500円となります。
歩留まりが良ければ歩留まり原価は上がりませんが、悪ければ原価が上がります。
歩留まり原価の必要性
歩留まり原価は正しく利益を得るために必要です。
例えば、商品Aと商品Bをそれぞれ1kg1,000円で仕入れたとします。
加工後の歩留まり率は商品Aが40%、商品Bが70%でした。
この商品をどちらも100g300円で販売を行った場合の、それぞれの歩留まり原価を求めると
A:1,000÷0.4=2,500
2,500÷10=250 ※100g当たりの原価
300(売価)-250=50(円)/利益50円
B:1,000÷0.8=1,250
1,250÷10=125 ※100g当たりの原価
300(売価)-125=175(円)/利益175円
このように、仕入れ時の原価は同じでも提供可能な量が異なることによって、得られる利益に大きな差が出てしまいます。
適切な金額設定をして正しく利益を得るために、歩留まり原価を知っておくことが大切です。
まとめ
今回は、食品の廃棄に関わる歩留まりについてお話をしました。
歩留まり率を知っておくことで、基準となる生産の割合を知ることができます。また、歩留まり率の計算を日々の業務に取り入れることによって、著しく割合に変化があった場合の異変に気づけます。
歩留まりを知ることから、食品廃棄部分を活用する方法を見出すなど食品ロスの削減に繋げていけるといいですね。
<参考>
飲食店経営情報サイト:https://momo-taro.xyz/
オキログ:https://okinagablog.com/
株式会社キーエンス:https://www.keyence.co.jp/
鷲見まいか
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