こんにちは!エクシールの今井です。
今回は新QC7つ道具の中の【マトリックス図法】についてご紹介します。
たくさんの対策案が出ても、どれから始めるのかがわからなかったり、誰がやらなければならないのかがわからなかったりします。マトリックス図法を使えば、複数の現象と要因の関連の程度をわかりやすく確認することができます。
早速見ていきましょう!
※本記事は2018年12月24日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
新QC7つ道具について
新QC7つ道具は言語情報や文字情報の言語データを解析し、関係を図解化することで問題の方向性を見出す手法です。
事務・販売・設計・企画などの部門においては、数値データよりも言語データが多くあるため、QC7つ道具では解析が難しくなります。そのため製造現場以外でも活用できるQC手法として、新QC7つ道具が生まれました。
また新7つ道具とは次の通りです。
・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・アローダイアグラム法
・PDPC法
・マトリックスデータ解析法
マトリックス図法について
マトリックス図法とは、系統図法によって見出した対策の重みづけや役割分担などを決めるのに使用される方法です。
2つの要素を「行」と「列」に並べて、その対応関係を明確にすることができ、問題解決の糸口やプロジェクトを最短で完了させる道筋がわかります。
系統図法で具体的な対策案を三次、四次まで出していくと、非常にたくさんの数になります。この多くの対策の中で、どれが重要で誰が行うのかを明らかにするにはマトリックス図法が最適です。
身近なマトリックス図を挙げると、スポーツのリーグ戦の結果表があります。複数のチームの勝ち・引き分け・負けを記号(○・△・×)で表したり、勝ち点をつけて順位付けしたりしますよね。
さて、マトリックス図法にはL型を基本としてT型、Y型、X型、C型、P型といった種類があります。
・L型マトリックス・・・行と列の二つの要素を組み合わせたもの
・T型マトリックス・・・1つの要素(項目)を左右または上下の2項目で挟んだもの
・Y型マトリックス・・・3つの要素を立方体の形であらわしたもの
・X型マトリックス・・・4つの要素それぞれに隣り合う2要素が関連しているもの
マトリックス図法のメリット
・種類が豊富
・全体の構成を一目で把握することができ、要素間の関係が明確になる
・いくつかの表がうまくまとめられ、問題の所在がより明確になる
・拡張性があり、他手法と組み合わせができる
マトリックス図の書き方
では実際にマトリックス図を書いていきます。
ここでは解決すべき問題に対して系統図法で複数の対策案が出た際に、どの対策が自社に適しているかを確認していきましょう。
次のサイトを参考に見ていきます。(マトリックス図|旬ワード|アーティエンス、品質管理の知識)
①行と列を設定する
2つの事象を行と列に配置します。
行:対策案
列:評価項目(効果・実現性・リードタイムなど)
②評価する
作成したマトリックス図の行と列の交点に評価を記号で記入していきます。記号には〇や△をつける方法と、情報の程度を数値でつける方法があります。
ここでは評価が良い・普通・悪いについて〇・△・×を用いて評価していきます。目立って良い場合は◎を記入します。
③行と列を追加する
評価を重ねていくと、はじめに設定した項目以外にも新たに項目を追加したほうがわかりやすくなったり、考えが広がったりすることがあります。
この場合は行と列の項目を増やして、マトリックス図を大きくしていくと、さらに多くの情報を得ることができるようになります。
④情報を集計する
マークを見るだけで重要な事象を判断することができますが、関連の度合いで記号に点数(ここでは◎=3点、○=2点、△=1点、×=0点とします)をつけて、その点数でランク付けして着目する見方もあります。
ここで作成した図を見てみましょう。
評価項目と照らし合わせると、全ての項目で高評価である対策案4が最も有効であるとわかります。優先順位があるとどれからやるべきかとてもわかりやすいですね。
ではここに「誰がこれらの対策をするか」といった分担をマトリックス図に追加してみます。
◎が主管、○を補佐とします。こちらも一目でわかりやすいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。マトリックス図を使用すると、全体の構成を一目で把握することができ、要素間の関係が明確になります。また優先順位を決めることができるため、何から取り組んだらよいのかも明らかになります。
マトリックス図は身近にある図で、取り組みやすいと思いますので、ビジネスシーンでも効果的に使用してみてくださいね!
今井 はるえ
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