こんにちは!エクシールの今井です。
さて今回は新QC7つ道具の中の【親和図法】についてご紹介します。親和図法は個人で意見をまとめる時も、グループで話し合う時も、問題の核を明確にする有効な方法です。早速見ていきましょう!
※本記事は2018年12月3日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して再度公開しました。
新QC7つ道具について
新QC7つ道具は言語情報や文字情報の言語データを解析し、関係を図解化することで問題の方向性を見出す手法です。
事務・販売・設計・企画などの部門においては、数値データよりも言語データが多くあるため、QC7つ道具では解析が難しくなります。そのため製造現場以外でも活用できるQC手法として、新QC7つ道具が生まれました。
また新7つ道具とは次の通りです。
・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・アローダイアグラム法
・PDPC法
・マトリックスデータ法
親和図法について
親和図法とはまとまりのないバラバラな言語データを構造的に(仲間で)まとめる情報整理法です。
特に、未来・将来・未知・未経験の問題のような、はっきりしていない・混沌とする問題について、問題の解決策を導き出す手法です。事実・意見・発想を言語データとしてグループ分けし、整理・分類・体系化することで、問題の親和性(似通っている、関係が強いなど)によって構造を整理することができます。
似た者同士をまとめながら整理していくことで、問題の全体像、構造ポイントが把握でき、取り組むべき課題が明確になります。
簡単に言うと、似た者同士のグループにまとめて、問題点や解決策を導く方法ということです。
この親和図法は川喜多二郎博士が考案したKJ法と同じものですが、著作権等の問題でKJ法という名称を使用できなかったため、品質管理の間では親和図法と呼ばれています。
どんな時に親和図法は使えるのか
親和図法は、いろいろな言語データがあり整理がつかないときや、取り組むべき課題が明確でないときに使います。
整理するほどではない簡単な問題や、即決すべき問題の解決には親和図法は向いていません。
問題を整理する必要があるときに使うのが親和図法です。
親和図法の書き方
大きく分けると4ステップあります。
- テーマの設定
- 言語データの収集
- 言語カードの作成
- 親和図の作成
①テーマの設定
まずはテーマ(調査目的)を明確に決めます。グループで親和図を作成する場合は、特に全員の考え方を統一させる必要があるため、テーマ設定は重要なステップです。
簡単に見出すことができない問題について、問題の本質を把握したり、方針を徹底したり、職場の相互理解を図るために使用することが適しています。
簡単な問題や即決すべき問題の解決には向いていません。
②言語データ
設定したテーマに基づき、事実データ、意見データ、予測データ、推定データ、発想データなどの言語データをできるだけ多く集めます。
収集方法として「直接観察」「面談」「ブレーンストーミング(※)」「個人思考」などがあります。グループで収集する場合は、ブレーンストーミングを使用すると良いです。
曖昧な内容だとしても、まずは有益なデータとみなしておくのがポイントです。
※ブレーンストーミングでは意見を絶対に批判せず、より多くの意見を自由に出すようにします。人のアイデアに便乗して発展させることも大切です。
③言語カードの作成
集めたデータは必ず1枚1データを記入します。また意味が何個か解釈できるようなものは書き直します。
カードを広げて親和性のあるカードをグループ化し、タイトルをつけます。1グループに多くのデータが無くても問題はありません。また、親和性が全くないデータが存在した際、無理にどこかのグループへ入れることは禁物です。
付箋に書いて模造紙に貼っていくと、簡単にまとめることができます。
④親和図の作成
全体イメージや構造がわかりやすいようにグループを配置し、各データのつながりを矢印で示すなどして図式化します。
ここでは日本のものづくり~品質管理、生産管理、設備保全の解説 匠の知恵のサイトを参考に、親和図の例を見ていきましょう。
例えばあなたがバックを売っているとします。日頃お客様から聞かれることを書き留めておきます。
このメモから言語データをカード化して親和図を作成します。
このように作成してみると、どのようなバックが求められているのかが分かるので、具体的な案を出しやすくなります。
ここでお客様が望んでいるバックは次の仕様だと考えられます。
①小雨程度の雨を防げる撥水性の素材を使用する。
②バックの横についているペットボトル収納の内側にはウレタン製の筒袋を縫い合わせる。
③携帯電話の収納ポケットをバックの外側に取り付ける。
④5色のカラーバリエーションとする。
まとめ
いかがでしたでしょうか。より多くの意見を聞き出し、ひとつひとつ紙に書き出すことで、情報が視覚化できてグループ化しやすくなりますね。どの部分に焦点を当てるべきかを判断できるようになるので、的確な対策を考えられるようになります。是非多くの意見を集めながら、問題の本質を捉えられるようになると良いですね!
今井 はるえ
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